国宝展;4期(京都国立博物館)
国宝展の4期をみてきた。
会期も終了に近づくにつれて、人は多くなるものだけど、チケット買うのに門の外にまで並ばされたのは初めてだ。並んだときは120分待ちだったけど、結果的には100分くらいで入れたと思う。なんだかんだで列は進むのだけど、時間潰し用に新書を持っていって良かった。
2期にも行っている。そのときみてきたのは、こちら。
2期との違い
4期と2期の大きな違いは、「六道と地獄」のコーナーから「肖像画」のコーナーに変わったのと、「絵巻物」に「装飾経」が追加されたこと。
3F(書跡、考古)
エレベーターは混みそうだったので、前回同様、階段で一気に3階へ行く。
書跡でのお目当ては、藤原行成筆の「白氏詩巻」「書巻」。『枕草子』で僧侶が土下座までしてお手紙を欲しがったという行成サマの達筆ぷりを、ぜひこの目で見たかった。本当にお手本のような美しい字だった。
考古では「火焔型土器」を見て、「縄文のビーナス」と「仮面の女神」を見てきた。顔についている逆三角形は仮面だったんだね。
2F(仏画、肖像画、中世絵画、近世絵画、中国絵画)
肖像画は、なんといっても「伝源頼朝像」の前に、多くの人だかり。大きいので、遠目からでも見ることができる。
中世絵画は、漢文学が流行っていたらしく、水墨画に文章が添えられているのが特徴みたい。ちょっとお堅い印象を受ける。
近世絵画のお目当ては、円山応挙「雪松図屏風」と、尾形光琳「燕子花図屏風」。当然の人の壁。でも良かった! 応挙が見られて良かった! あの細かさは不思議な感じがした。離れたところで見ていると、もっと近くで見たくなるんだけど、近づくと感じが変わる。離れているほうが、雪のふわっとした感じとか、奥行きとかを感じることができる。あの絵は多分、ちょうどいい距離感というものがある気がした。
光琳のも大きいので、離れて全体を眺めるほうが楽しいと思った。
中国絵画にも「孔雀明王像」があった。仏画で見たほうは、一面四臂で、こちらは三面六臂だとか。
1F(彫刻、陶磁、絵巻物と装飾経、染織、金工、漆工)
彫刻はあんまり変わってないかなと思ったんだけど、2期になかったのが「薬師如来坐像」。小さくて細かい。
「雲中供養菩薩像」は、通期であったけれど、もしかしたら平等院に行ったときに、パネルから何かで見てるかも…? と思った。音楽を奏でている感じが『かぐや姫の物語』みたいだなと思った記憶がある。
陶磁では「油滴天目」が美しかった。斑がきれい。
絵巻物は、「源氏物語絵巻」で人が動かねえ。後ろの人がぐいぐい押してくるので、前の人も移動できない。の悪循環に陥っている状態だったのが、私の行ったとき。その後学芸員さんが「止まらないでくださいー!」と声をかけていたけれども。正直、全く見えなかったよ。
本命は「寝覚物語絵巻」。こっちが見たかった。そして、こちらはメジャーではないので、人が動いてくれて見ることができた。あらすじしか知らないけれども、物語も割りと好きなので、残存している部分だけでいいから、文庫サイズで誰か現代語訳してくれないかなあ。
あとは「平家納経」豪華だ。美しい。財をつくした煌びやかなのが好きだ。
染織では「懸守」が良かった。絵画でよく子供が首からぶら下げているあれは、こんなやつだったのか、と思う。
あと「古神宝類」神社に奉納された神様のための衣装など。絵画でも神様は、人間と区別するために、大きく描かれたりするけれど、衣装もちょっと大きい感じだった。そういう理屈で合っているのかどうかわからないけれど。
金工は、あんまり変わってなかったし、刀にあまり興味なかった。「白糸威鎧」は見た。
漆工では「ポルトガル国印度副王信書」がお目当てだった。大きくて、素晴らしい。なぜ漆工のコーナーにあるのかは、よくわからなかった。
出口
トイレは長蛇の列だった。ここでは使わなかったけれど。
ミュージアムショップは、人で埋まっていた。動けるの? て思うぐらいに。
ここからまた階段で3Fに戻って1周することもできるけれど、それをやるのはよっぽどの人だと思う。
平日の15時前、列はまだまだ長かった。火曜日だったからかもしれない。18時で人は捌けないんじゃなかろうか、と思った。待ち時間もあまり減ってなかったし。子どもが並んでいるのを見ると、退屈だろうな、大変だなと思う。