明治工芸は見ていてすごく面白いので、行ってきました。今回は大学生の観覧料が500円。安い。有難い。
私が行ったのは前期なので、この記事に出てくるのはだいたい前期の展示。
サブタイトルが「明治の日本画と工芸」で、日本画が多い印象を受けたけど、よく考えたら今までの展覧会では工芸に重点を置いたものだったので、ほとんど日本画出ていなかった。
構成はこんな感じ。
- 博覧会の時代
- ワグネルと旭焼
- 明治の名工
この展覧会は、個別のキャプションに詳しい説明が載っていないので、画家がどういう人物なのかもよくわからないし、どういう経緯・状況で描かれた絵なのかもわからない。図録に何か載ってるかな、と思ったけれどなかったので、多分、見て感じ取れ、そして自分で調べろってことなのかもしれない。
日本画でこれはかわいい、と思ったのがNo.10「百老遊戯図」鈴木百年。禿頭お髭、三等身のゆるきゃらみたいなおじいちゃんたちが、わちゃわちゃ遊んでいる絵。
No.16「蕉陰双鶏図」今尾景年。鶏図はどうしても最近みた若冲と比べてしまう。ごめんね。きれいだけど大人しい鶏。
No.19「洋童図」田村宗立。陰影がついていて、リアルなんだけど可愛くない男の子の絵。なんだろう不気味の谷?
画家は知らない人ばっかりかなーと思っていたら、竹内栖鳳もあった。
No.34「羅馬古城図」竹内栖鳳 明治34年 京都国立近代美術館蔵
日本画の展示のあとは、工芸。
No.77「色絵蓮煙草立」清水六兵衛(三代)所蔵がどこか書いてないので、個人が持っているのかなあ? 写真を検索しても出てこないので、説明して伝わるかわからないのだけど、蓮の穴のところに煙草を立てるのかしら、これは?
香炉がいくつか出ていたんだけど、煙がたゆたっている様を見たいよね、本音は。
あと、白磁のゆで卵みたいなとぅるっとした見た目が好きで、口の中に入れたい気持ちになる。実際にそうしたいわけでなくて、あの見た目がそういう気持ちにさせるのだ。
宮川香山と並河靖之は、テッパンの展示。数は少なかったけれど。しかし宮川香山なら東京国立博物館から蟹のやつ借りて欲しかった。別のところ回ってるのかなあ。
蒔絵でかっこよかったのはNo.109「金蒔絵芝山花鳥図飾器」武蔵屋大関。
No.109「金蒔絵芝山花鳥図飾器」武蔵屋大関 明治時代 京都国立近代美術館蔵
こんな素敵なものをよく壊されずに保存しておいてくれたものだと思う。有難い。眼福。
基本的に蒔絵にはそれほど興味はなく、硯箱とか見ていると豪華すぎて、これ絶対普段使いじゃないよね、とか思ってしまう。
しかし蒔絵ではなかったけれど、ちょっと地味な感じのNo.120「仔犬図硯箱」石川光明 は可愛かった。 図録を見るとベースは桑らしいが、象牙とも記されており(どこに使われているかよくわからなかったけれど)凝っているぽい。
No.120「仔犬図硯箱」石川光明 明治時代 京都国立近代美術館蔵
No.151「瓜形香炉」川原林秀国 や安藤緑山の牙彫置物のいくつかは、二三年前の展覧会で見たことがあるので、お久しぶりって感じだった。また会えて嬉しい。自在置物も多分見ている気がするなあ。
あとは、刺繍絵画がもうちょっとあればなあ、とちょっと思った。布だし傷みそうだし無理かしら。
余談
1階のカフェ「Café de 505 (カフェ・ド・ゴマルゴ)」は、テラスで満開の桜が見られるため、テラス席がだいたい満席。
飲食するだけなら店内でも良いと思っていても、店員さんの都合で、店内で順番に待たされてテラスか店内かを聞くので、15分くらい待つことになるかも(平日)。空いていれば、店内でも窓際を案内してくれるので、飲食しながら多少は外の桜が見られる。
室内から見るとこんな感じだった。
以下、本日の関連エントリ。