地獄絵ワンダーランドの展覧会へ行ってきた。龍谷ミュージアムも初めてだ。
7月に奈良国立博物館で開催された「源信-地獄・極楽への扉」へは行っていた。8月に東京へ行く用事があったので、「源信」との相互割引が効くから、三井記念美術館へ行きたかったのだが、結局こちらは行けなかった。京都でやるからいいか、と思っていたのもある。
展示構成
構成は以下の通り。
- ようこそ地獄の世界へ
- 地獄の構成メンバー
- ひろがる地獄のイメージ
- 地獄絵ワンダーランド
- あこがれの浄土
源信の『往生要集』が、「あの世へのガイドブック」と説明されている。ダンテの『神曲』みたいな感じ? 読んだことないけど。江戸時代に刊行されている絵入りの『往生要集』は、読めないけれど面白そうだった。
ともあれ、日本人の死後世界観は『往生要集』から始まり、六道絵・地獄絵・十王図と続く。
十王図・奪衣婆あたりは、マンガ『鬼灯の冷徹』を読んでいるとなじみのキャラクターなので、鬼灯ファンの中高生は、美術館に足を運ぶといいと思う。
木像は坐像だけど大きいので、思ったよりは迫力がある。
「立山曼荼羅」は前期に展示してある個人蔵のものを見た。四幅の大きいやつで、彩色がはっきりしている。素晴らしかった。
3章の絵巻は、基本的に、眺めるだけで結構楽しい。
4章の地獄絵ワンダーランドは、江戸中期の庶民が描いた素朴な十王図が展示してある。
あと、山東京伝の黄表紙で「小野篁地獄往来」があるのと、3章に「小野篁・冥官・獄卒図」があるので、小野篁は天然パーマではないけれど、鬼灯ファンは見ておけばいいかと思う。
水木しげるの地獄めぐりは、現代に生きる私たちにとって、非常にわかりやすいかった。
図録その他
この展覧会は、図録が非常に良かった。図解とコラムが良かったために私は購入した。あまり重くないし、子どもにとっつきやすいような工夫がされている。
それから、図録にないけれど、ベゼクリク石窟大回廊復元展示が良かった。短い距離の回廊ではあるけれど、良い体験だった。
ミュージアムショップのグッズは、鬼太郎のものが色々とある。この展覧会に鬼太郎ファン・水木しげるファンは来るのだろうか? ちょっとよくわからない。
あと、地獄No.1を決める選抜総選挙なる企画が催されており、チケットを買ったら投票用紙が渡される。一応投票してきたけれど、正直言って、難しい選択だった。知名度でいえば、閻魔大王一択なんだけど、何を基準にして選べばいいか、よくわからなかったので、本当に迷った。