優雅に叱責する不幸で敬虔な幼子たち{仮}

日大通教哲学専攻(1年入学)での学修過程メモなのに、展覧会ばっかり行っている

ターナー展(京都文化博物館)

ターナー展へ行ってきた。

www.bunpaku.or.jp

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構成は以下の通り。

  1. 地誌的風景画
  2. 海景-海洋国家に生きて
  3. イタリア-古代への憧れ
  4. 山岳-あらたな景観美をさがして
  5. ターナーの版画作品

 

4年くらい前にも一度、ターナー展を見に行っているのだけど、そのときは「絵」を見ていた気がする。でも今回、あまり「絵」を見た感じがしなかった。今回私は、これらが「水彩画」であることに、すごくすごく気を取られてしまっていた。

 

西洋絵画というと、まず真っ先に油絵が浮かんでしまうし、前回のターナー展では、その絵がどういうふうに描かれているか全く気にしていなかった。

今回は、展示されている絵の半分くらい(主に後半)が版画なのだけど、前半は水彩画が中心で、ターナーが使っていた水彩画の技法についても解説があったりする。

油彩だと潰したりハイライトを入れるのは簡単だけど、水彩画で白を入れるってどういう技術なのだろう? と小学校の透明水彩しか知らない私は、疑問だった。ターナーはグワッシュ(不透明水彩)を使用したり、スクラッチングアウト(引っ掻く、はがし取る)やストッピングアウト(色をのせたくない部分を保護する)等の技法を使っている。

 

でもやっぱり、油彩の方が好きだ。ちらしにもなり、展覧会入り口を飾ってもいる「風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様」は美しいし、迫力がある。

 

あとは「20ヴィニェットのうちの1点」というシリーズが良かった。枠取線をもたないヴィニェットの形式を持つ挿絵のシリーズで、小さいのだけどとてもきれいだった。

 

4年前の展覧会では版画を見た記憶がほとんどないのだけど、今回は版画がたくさんある。

”当時、写真は普及しておらず、特定の地域に焦点をあてたシリーズ版画は、旅行ガイドのような役割を担っていた。”

と図録にはある。ほとんど写真の代わりと言っていいくらいの精密な出来だし、実際旅行に行けなくても、行ったような気持ちにさせる素敵な風景画だ。図録巻末の関連地図にはイギリスのみならず、多くの地名が記載されている。

 

ターナーの頃と現在では風景も変わっているだろうけど、今だったらイギリス旅行しなくてもグーグルアースで比較できるんだろうなぁ。