科学哲学
思い出して書く。
単位取得方法
スクーリング積み重ね。
夏期スクーリング(4年目)+夏期スクーリング(5年目)
配本申請して、レポートを書く気でいたのだけど、課題がよく理解できなかったので、時間をかけたくないと思って、積み重ねにした。お金はかかるけど、仕方ない。
授業内容(1)
3日間集中の夏期スクーリング。教科書はこちら。
科学哲学を履修したあと、教科書がよく理解できなくて、入門として購入して読んでいたので、スクーリング前に再読した。授業でやったのは、第3部。
とはいえ、1~2部を踏まえた上での3部なので、一応1~2部もさらっとやってから3部に入る。
興味深かったのは、14章の「科学技術」についての箇所。日本語では普通に「科学と技術」という並置で使われていて、何の疑問も抱かれていないけれど、ヨーロッパではこの二つには明確に違うものとして意図されてきた。科学は、哲学から発生しているので、理論的頭脳的なものとみなされ、技術のほうは、手仕事の伝統からなので、ほぼ労働と同じものだった。だからヨーロッパでは機械技術を大学では教えない。技術は一段下に見られていたのだ。
しかし日本では19世紀に、この科学と技術がセットで持ち込まれたために、はっきりとは区別しなかった。また、技術教育を拒否するような伝統もなかったため、総合大学でも工学部が設置されている。
3部の肝は、科学技術と公共性、倫理、社会的責任についてだった。特に3.11の原発事故について批判と提言がなされている。
この年はポケモンGOが話題になっていて、先生はちょくちょくその話もしていた。曰く、世の中に出す技術が、どういう社会的影響を与えるのかということを、企業はもっと考えなくてはならない、ということ。
試験の設問は忘れてしまったけれど、授業でやったことを踏まえて自由にテーマを設定して書いたような気がする。お昼休みにご飯を食べながら、他の学友は原発について書くと言っていた。まあ、授業でやったのはそこだから、一番書きやすいと思う。私は別のテーマで書いたけれど、合格した。
授業内容(2)
教科書は前回と同じ『科学哲学への招待』で、今回は第1部をやった。
今回は、あやふやだったソクラテス以前の自然哲学史が、すっきりわかって良かった。多元論や不生不滅の「生きる自然観」はアリストテレスに継承され、デモクリトスの原子論は「死せる自然観」だから、好まれず採用されなかったということと、「万物は数によって規定されている」というピュタゴラスの考え方が、既に科学の本質であるということ、そしてこの「死せる自然」と「世界が数学的構造を もつ」というのが科学革命でがっちり繋がった、ということがわかった。
一つ一つは知っていたつもりだったけれど、科学史の流れでそれぞれの考え方を整理されるととてもわかりやすかった。
第1部の内容は科学史なので、試験もそれに関することを書いたのだけど、設問がなんだったのか忘れた。ノートを見返す限りでは、科学史とそれに対応する人間観みたいなのを書いたみたいだ。合格した。
単位積み重ねだと、2講座の平均が成績として表に出てくるため、それぞれの成績がわからなくてちょっと困る。
今回授業中におススメされたのが、『思想史のなかの科学』だ。買ったけど、まだ読んでいない。
倫理学特殊講義(2)
思い出して書く。
単位取得方法
スクーリング積み重ねでしか取れない科目であり、夏期にしかスクーリングがない。
2年前にソクラテスで受講したが、前年は幸福論で、あまり興味がなかったのと、他の科目を優先したので、受講しなかった。
2年前の授業については、こちらに書いてある。
授業内容
去年が「個人の幸福」をテーマにしたもので、今年は「国家・社会について」である。教科書はこちら。
2~3章と、8~9章の内容を中心にやった。
人間の人間らしさを、主体性に求めるか社会性に求めるか、というのが 今回の導入で、ではどういう国家や社会が自分にとって良いのか、というのを考える。
2~3章は、アリストテレスの幸福についての定義とか、カントの道徳についての考え方などをやった。幸福になることが人間の最終目的。何のために幸福になるのか、という幸福の先の目的がないから。
個人的には、カントの道徳に対する考え方って窮屈な感じがする。
8~9章では、社会契約説をやった。ホッブズとロックとルソーの違いと流れ。
あと、ヘーゲルとマルクスをちょこっとやったけど、あまり覚えていない。弁証法的発展っていうのに、あんまり興味がなかったせいかも。
成績は、小テストが3割で試験が7割と、前回と同じ。試験の設問自体は忘れたけれど、(1)社会契約説、(2)功利主義とロールズについて、という感じでまとめてある。合格した。
事前準備学修があまりできなかったので、勉強不足だったのだけど、倫理学特殊講義はほぼ哲学の学生しかいないので、休み時間とかの意見交換がすごく楽しかった。印象に残ったのは、「幸福でない人は、幸福論について考える」ということ。
家にあった本で、持っていけば良かったな~と思ったのは、この2冊かな。
国文学概論
思い出して書く。
単位取得方法
地方スクーリング(春)+夏期スクーリング
はじめは、レポートを書いて併用でいこうかと思っていたのだけど、思っていたよりずっと書けなかったので、積み重ねに変えた。国文の必修科目なので、スクーリング回数が多いというのも、履修科目にした理由のひとつだったし。
授業内容(1)
過去のシラバスを読んでいると、日本史概説と国文学概論は、地方でスクーリングが開催されると、その土地の文学館や歴史博物館へ行くことが多い。今回は大阪だったので、大阪歴史博物館へ行った。私は昨年に引き続き2回目だ。
3日間の集中スクーリングだったので、1日目は概要を学んで、2日目に校外学修だった。
今回の授業でやったのは、難波万葉。この授業のためにはじめて万葉集を買った。教科書の指定はされておらず、全歌が収められているならどこでもよい、とのことだったので、講談社文庫を選んだ。
国文学の生徒ではないので、買ったあとは持て余しそうだ。あと、基礎知識がないので、同じシリーズの事典も購入した。こちらは、拾い読みしているだけでも面白い。
最終レポートを出すときに、この事典の年表と地名解説がすごく役に立った。
今回、初めてスクーリング中に試験がなく、後日1週間以内にレポート提出、という形での成績評価だった。次の日曜日が、西洋思想史Ⅱの科目修得試験だったので、結果的にあまりこのレポートに手をかけられなかった。合格はした。
授業内容(2)
夏期スクーリングは、江戸時代の遊里・遊女を中心に文学を読み解いていくものだった。事前学修の宿題(3作品について調べておく)があって、それをやってから授業に臨む。
夏なのと、必修科目なのとで、とにかく受講人数が多かった。
江戸の初期・中期・後期ごとの作品を読み比べて、どういうところが変化しているかを見たりして、面白かった。DVD等の映像資料が紹介されるのも良かった。
試験は、穴埋め・記述式だった。あと少しだけ論述。合格した。
授業でも使われて、私も宿題で読んだ本。わかりやすくて良かった。
- 作者: 小池正胤,杉本紀子,佐藤智子,有働裕,瀬川結美,細谷淳人,檜山裕子
- 出版社/メーカー: 笠間書院
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
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授業後に図書館で見かけて思わず借りてしまった本はこれ。 下ネタなんだけど、結構面白かったので、研究が進んで他に本が出てくれるといいなあと思う。
今回、授業で曽根崎心中をやってけれど、私のファースト曽根崎心中は、デッドボールPのこの曲である。
初音ミク+鏡音リンの百合ジナル曲4 曾根崎心中 -Full ver.-
西洋思想史Ⅱ
思い出して書く。
単位取得方法
レポート(分冊1)+レポート(分冊2)+科目修得試験
この科目は集中スクーリングをやっていないので(東京の本館で昼間・夜間等にはやっていたりする)地方住みは、試験を頑張るしかない。
レポート課題
分冊1は「デカルトの形而上学の意義と特質について」で合格した。分冊2は「カント認識論の特質」で不合格だった。
とにかく4月の試験に間に合わせるために、分冊2を慌てて仕上げたとはいえ、講評がひどくて腹立たしかった。足りないのはわかっているんだけど、どこが足りないのかわからないからとりあえず送ったら、ぼろくそに言われただけで、どう足りないかヒントもくれないひどい講評だった。勉強不足と言われればそれまでなんだけど、最初っから完璧にできてれば、講評なんかいらないんだよ! と当時かなり怒っていた。
レポート課題が変わったので、あの課題では再提出しないのだけど、ただでさえカントは苦手意識が強いので、中途半端な理解に終わりそうで怖い。
デカルトで参考にしたのは以下の本。
- 作者: ルネデカルト,Ren´e Descartes,山田弘明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 文庫
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再提出の分冊2。課題は「カントの道徳律、および英仏における実証主義について」
キーワードに沿って内容をまとめ、最後に思想の変化とその流れについて書いて合格した。科目修得試験は合格しているので、これで単位が確定して評価も見られるようになった。
意外と役に立った参考文献はこれ。
科目修得試験
4月の試験に間に合わせるために、レポートを滑り込みで提出したのには理由があって、ここ何年か4月の試験ではデカルトが出題されていて、そこに完全にヤマを張ったからだった。
しかし意に反してこのときの出題がベーコン。まったくノーマークだったので、30分何もできず、交通費だけ使ってすごすご帰った。
6月の試験は、ヤマは張りつつ、もうちょっと広い範囲を勉強して、優先順位をつけて覚えていった。
合格はしたけれど、レポートが不合格のままなので、単位は確定していない。
日本史入門
思い出して書く。
単位取得方法
レポート(分冊1)+レポート(分冊2)+春スクーリング(併用試験)
レポート課題
分冊1は、大岡越前で不合格。史料に関する記述が少ない、とのこと。分冊2は領収書について。こちらは合格。
教科書は、日本史研究の方法とかその過程が書かれているので、読んでいて面白い。
けれども、レポートではテキストの記述を引き写すと、ダメ出しをくらうので、注意が必要だ。
再提出の分冊1。課題が盛り場に変わって合格。スクーリングが先に合格しているので、単位も確定した。
授業内容
土日×2週タイプのスクーリングだった。先生は、日本史概説のときと同じ先生である。なるべく多くの先生と接したいし、そうしたほうがいいとは思っているのだけど、日本史概説を受講して大変楽しかったので、同じ先生を選んでしまった。思ったより、気に入った先生の授業は、しつこく取っているかもしれない。
授業内容は完全に史学生に向けられている。そもそも、史学科の必修科目だし。テーマの見つけ方とか、研究手法について細々と必要なことを教えていただいた。使える辞典類のメリット・デメリットとか、暦の基礎的な知識とか、度量衡、大名格式、官制などなど。
今回受講して「へぇ~」と思ったのは、黄門という呼び名が中納言のことだと知ったことだった。大納言の別名は亜相(あしょう)である。尾張と紀伊は最高、大納言まで官位が上がるので、それぞれ尾張亜相、紀伊亜相、と古文書で書かれていたりする。水戸の官位は中納言までなので、水戸黄門となるけれど水戸亜相とはならない、とか。
あと、歴史学系の科目は徹底して、史料に対する扱いを叩き込まれる感じがした。学者は決して、歴史小説家のように史料を扱ってはならない、というようなことを口を酸っぱくして言っていて、特に史料と史料の間を、妄想で埋めてはならない。ちゃんと証拠を提示して、論証しないとダメって言っていた。
史学の厳密性で卒論を書くのは非常に大変そうだ。
試験内容は忘れてしまったけれど、日本史概説と同じく、文字数が決まっており、事前にまとめてきたものを書き写すようにしておく感じだった。合格はしたけれど、レポートが不合格のままなので、成績は確定していない。
何年か前の日本史入門のスクーリングのシラバスに『歴史学ってなんだ?』が参考図書として載っていた。歴史学に対する態度を学ぶのに良い。
最近買った本で良かったのは『歴史の勉強法』だ。初級編は、日本史入門の授業でやったことが多く出てくる。
哲学演習Ⅱ(1回目)
思い出して書く。
事前準備学修
既に学修し終えた哲学演習Ⅰは、2回とも講義形式だったので、発表形式(ゼミ形式?)の演習を申し込むのは、正直ハードルが高かった。しかし、演習は避けて通れないので、えいやっと申し込む。
申し込み後、受講許可通知がきたら、シラバスにある先生の連絡先にメールをする。ちょっと様子を見てからメールをしたのだけど、どうやらみんな考えることは同じなようで、私は2番目に連絡した学生だった…。テキストの割り当て箇所の返信がそのあと、きた。
シラバスがきて、割りとすぐにテキストは購入した。新書だったので、あまり高くなくてよかったし、さくさく読めた。
さくさく読めたんだけど、全てがわかりやすいかというとそうでもなくて、しかも、本を1冊丸ごと、自分のちからでノートを作る、ということをやるのが初めてだったので、準備してても不安だった。
わかりやすい本は、最初っから丁寧に説明を積み重ねて、分かりづらいところは何遍も同じ用語と新しく出てきた用語で少しずつ用語をずらしながら説明してくれるので、割り当て箇所だけ準備するということができない。最初っから地道にやるしかなくて、早めに本を買ったので、どこが割り当てられても対応できるように一生懸命ノートをとっていた。
結果的に割り当てられたのが最初のほうで、概要っぽい導入だったので、フッサールの生涯とか時代背景を調べていたんだけど、受講1週間前に追加割り当てがきたので、
「ぎゃー!」
って感じだった。しかもこの本は、本文よりもコーヒーブレイクと銘打ってあるコラムのほうが、わかりずらいというおまけつきで、発表2回目の割り当てに、このコーヒーブレイクのコーナーが入っていたので、なおさら叫びたい気持ちだった。
授業内容
3日間スクーリングタイプで受講。
先生はほぼ発言せず、学生の発表だけで本1冊分の授業を3日間やった。1回目の発表は開始2人目だったので、かなりぐだぐだだったのだけど、2回目は翌日だったし落ち着いてできた。
あと、欠席した学生の箇所は先生がやった。通教はシステムとして、受講申し込みを済ませたあと、スクーリング費用を振り込まずに当日欠席するということができる。もちろん辞退届もある。振り込みを忘れて出席すると、初日に教務課から呼び出しがきて、新しく振込用紙を渡されるらしい。私はそういったことをしたことがないので、よくわからないのだけど。
発表タイプの演習ははじめてだったのだけど、すごく楽しい授業だった。休憩時間に、よくわからなかったところを聞きあったりしながら学友と親交を深めることができた。哲学科の学生と話すのって楽しいー。
最後は時間が足りなくなって、駆け足の発表と試験だった。特に発表2回の学生は試験で、自分の発表箇所をまとめるのが大変だったと思う。私は大変だった。時間配分とまとめる分量を間違えて、後半の字がかなりの殴り書き。先生ごめんなさい。
試験の設問内容は忘れてしまったけれど、2~3ヶ月前に読んだ『「時間」を哲学する』とフッサールの時間論の違いについて、少し書いた。
おまけ
『ことばと思考』を読んだとき、objectという語(p38)について書かれている箇所があり、可算性の話だったのだけど、今回フッサールを勉強したとき、objectは物体というより基体という概念に近いんだと思った。
通信教育部こぼれ話
通信教育部に在籍して6年目になると、噂話なども、その都度、耳に入ってきたりする。地方在住だと、情報はとても貴重なので、なるべく初対面の人とでも話すようにしていた。それらを忘れないうちに、まとめておく。
通信教育部に行きたいけれど、どういうところか、ちょっと不安、という人のためになれば幸いである。雰囲気くらいは伝わると思う。
ただし以下のことは、あくまで「どこを辿ってきたか定かではない噂」と、私の個人的印象と見解が混じっているので、話半分に聞いておいてほしい。あと、通信教育のネガキャンでもない(笑)ので、話の最後は大阪風に「知らんけど」とか付け加えておくくらいが、噂に対する正しい態度だと思う。
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